細長い窓のある白く四角い建物と、その前の広場と木々。

ミュンヘン国家社会主義資料センター、2020年|© ミュンヘン国家社会主義資料センター、写真:Connolly Weber Photography

ミュンヘン国家社会主義資料センター

ミュンヘンの国家社会主義資料センターは、現在と未来に向けて国家社会主義(ナチズム)の歴史を伝え、独裁国家の経験を現代のグローバルな視点から紹介する施設です。

当センターについて

ミュンヘンは他のどの都市よりもナチズムの台頭と深い関係にあります。極右の国民(国家)社会主義ドイツ労働者党(ナチス)が1920年に結成されたのもミュンヘンでした。そして1933年には、アドルフ・ヒトラーを「指導者」とするナチスが政権を掌握。その独裁体制は1945年まで続き、ヨーロッパ中に戦争と恐怖をもたらしました。約600万人のユダヤ人に対するホロコーストと、シンティとロマに対する迫害は、人類史上最大の犯罪と言われています。

旧ナチス党本部の跡地にあるミュンヘン国家社会主義資料センターは、展示イベントワークショップ、ツアーなどを通じてナチスの歴史に向き合う場所です。特に注力しているテーマは、ナチズムのイデオロギーの起源です。また、特定の集団を排斥し迫害するに至らしめた社会構造とメカニズムの検証にも取り組みます。さらに、戦争と大量虐殺、人種差別と反ユダヤ主義、排斥と逃亡といったテーマについても、現代的および国際的な視点を取り入れながら考察します。

ミュンヘン国家社会主義資料センターは、多方面に開かれた国際的な施設です。私たちは当センターを通じて、今なお消えることのないナチスの脅威を人々に伝え続けます。同時に、独裁体制の終焉後に実現された自由民主主義、普遍的人権、欧州統合、記憶文化を巡る議論など、戦後社会の歩みについても広く伝えるべく活動しています。

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来館案内

開館時間
火曜日~日曜日 10:00~19:00
祝日は月曜日でも開館しています

入場無料チケット不要です。

住所
Max-Mannheimer-Platz 1
80333 ミュンヘン
電話: +49 89 233-67000
メール:nsdoku@muenchen.de

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展示の様子

四角い展示台に展示された写真と文章を眺める人々。

「ミュンヘンとナチズム」の展示を鑑賞する人々|© ミュンヘン国家社会主義資料センター、写真: Connolly Weber Photography

四角い展示台に展示された写真と文章を眺める人々。
大きな展示パネルを自由な姿勢で眺める3人の若い見学者。
文章や歴史的な写真が掲載された展示パネルを見る多くの来館者。
展示台を眺める二人の来館者を上から見た写真。
非ナチ化政策をテーマにした大きな展示パネルを見る二人の来館者。
窓のない大きな部屋に並べられた複数の展示台と、文章や写真が印刷された大型の展示パネル。壁には映像が映されている。

「ミュンヘンとナチズム」の展示の様子|© ミュンヘン国家社会主義資料センター、写真:Connolly Weber Photography

長い廊下。文章と写真が掲載されたライトボックスが左右の壁に取り付けられている。


 

ミュンヘンとナチズム

国家社会主義(ナチズム)という概念とそのイデオロギーはどこから来たのか、アドルフ・ヒトラーはどのようにして権力を握り、民主主義はなぜ敗北したのか。排斥、戦争、大量虐殺へと駆り立てたものは何だったのか。私たちはナチスの凄惨な歴史から何かを学ぶことができるのか ― こうした問いは今日もなお大きな意味を持ち続けています。

国家社会主義資料センターはその歴史の現場で、ナチスの過去を振り返ります。ドイツ語と英語の説明付き常設展示「ミュンヘンとナチズム」では、写真、文書、テキスト、映像、マルチメディアを織り交ぜながら、ミュンヘンにおけるナチズムの起源と台頭、ナチ政権下でのミュンヘンの特別な役割、そして終戦後に過去と向き合ってきた困難の歴史について紹介します。民主主義を崩壊させ、独裁政権の誕生をもたらしたものは何だったのか。約1000平方メートルの広大な展示会場で、ミュンヘンを巡る記録のみならず、当時の戦地の状況もご覧いただけます。

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ハーケンクロイツ(ナチスの鉤十字)の旗と制服の集団が立ち並ぶケーニヒス広場の中央を、旗手に先導された葬列が通り抜ける。

1936年11月9日、ケーニヒス広場での国民(国家)社会主義ドイツ労働者党(ナチス)の行進|©バイエルン州立図書館

展示のマルチメディアガイド

ミュンヘンとナチズム」の展示では、無料のマルチメディアガイドをご利用いただけます。言語はドイツ語、英語、アラビア語、フランス語、ヘブライ語、イタリア語、ポーランド語、ロシア語、スペイン語、ギリシャ語、国際手話からお選びいただけます。ご利用の際はインフォメーション・デスクまでお越しください。

 

団体のお客様へ

団体でご来館される場合には、団体予約を受け付けています。こちらでお申込みいただき、団体でご利用いただけるプログラム(要予約)についてご確認ください。

団体予約
団体でご利用いただけるプログラム

ご質問やご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
メール: buchung.nsdoku@muenchen.de

カタログとパンフレット

ミュンヘンとナチズム」のカタログ(20ユーロ)はドイツ語版と英語版があり、展示されているテキストおよび写真全点に加え、著名な歴史学者の寄稿を23本収録しています。その他にも、重要情報をまとめた簡略版のパンフレット(8ユーロ)もあり、ドイツ語、英語、フランス語、ギリシャ語、ヘブライ語、イタリア語、ポーランド語、ロシア語、スペイン語、トルコ語、アラビア語のほか、平易なドイツ語をご用意しています。

印刷物や書籍は全てインフォメーション・デスクまたはオンライン書店でお買い求めいただけます。

企画展とイベント

様々な芸術や展示を体験することで、歴史に対する新たな視点が得られます。当センターでは過去と現代の社会政策をテーマとした講演会、朗読会、ツアー、ワークショップ、追悼イベント、語り部との交流会など多彩なイベントプログラムをご用意しています。国内外からお招きする学術、芸術、文学、ジャーナリズムの専門家のゲストと一緒に、過去、現在、未来について語り合いましょう。

現在の企画展の詳細はこちら
イベントプログラムへ

常設展示 Memory Loops|© ミュンヘン国家社会主義資料センター、写真: Connolly Weber Photography

スマートフォンアプリ

場所の追憶

歴史的な写真や資料を見ながら、ミュンヘンおよびその近郊でナチスと関係の深い120の場所を巡ることができるアプリです。アプリはApp StoreおよびGoogle Playからダウンロードしていただけます。

アプリの詳細はこちら

フォローをお願いします

InstagramThreadsTikTokBlueSkyTwitterFacebook で、当センターの活動やストーリー、歴史的な話題や時事問題、外部のお勧めプロジェクトの紹介をご覧いただけます。YouTubeでは、イベントの動画や展覧会の予告も公開しています。

学習フォーラムのご案内 

ナチスの歴史に興味があり、特定のテーマについて調査・研究をされる方のために、当センター地下1階の学習フォーラムでは、4台の大型デジタルメディアテーブルや22台の研究用端末など、様々な設備を無料で開放しています。図書コーナーでは、特にミュンヘンとバイエルン州を中心としたナチスの歴史に関する書籍や刊行物を豊富に取り揃えており、ナチスに関する重要文献のほか、伝記、小説、雑誌からグラフィックノベル(コミック)、イラストまで3,000点以上の刊行物をご自由にご覧いただけます。

ノイアウビングのメモリアルサイト(追悼の地)

第二次世界大戦中、ミュンヘンは強制労働の中心地でした。ミュンヘンのほぼ全ての企業、事業所、商店、そして多くの市民が、ドイツ国防軍に占領された地域から強制移送されてきた人々の労働の恩恵を受けていました。ミュンヘン西部に位置するノイアウビングの強制労働キャンプ跡地には、ナチス時代に建てられたバラックが8棟保存されています。終戦後、同地は様々な用途に利用されてきました。メモリアルサイトはそのうち2棟のバラックと屋外エリアにあります。

メモリアルサイトの詳細はこちら

ミュンヘン・ノイアウビングの旧強制労働キャンプのバラックと防弾シェルター、2014年|© ミュンヘン国家社会主義資料センター、写真:Connolly Weber Photography